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スレッドリフト

私が 『金の糸リフト』 をお勧めしない理由2016.10.12

こんにちは 院長の橋本です。

今回はお問い合わせの多い 『金の糸』 についての話題をお届けします。

 ご来院された方から 

「金の糸って実際のところどうなんですか?」 

「金の糸のリフトをやりたいんですが・・・」

 というご質問をよく受けることがあります。  ご存じでない方もいらっしゃると思いますので、「金の糸の美容医療事情」 からお話しします。 現在、日本国内の有名美容外科や美容皮膚科では、金の糸治療を多くの施設が行っているようです。金の糸を顔の皮膚の下に入れることで肌のハリが増し、リフトアップ効果が得られるといううたい文句のようです。 金の糸治療の歴史について、各美容外科のホームページでは以下のように書かれていることがほとんどです。それぞれ検証してみます。 

例文1

世界三大美女といわれる古代エジプトのクレオパトラが亡くなった時、その素肌が15歳のままの肌年齢で保たれていたとされる。この神秘なる美しさの真相は、その死後も謎のベールに包まれていたままでした。しかし、2000年に考古学者らが発掘したエジプト王朝の墓の中に、数多くの「金の糸」が発見され、この「金の糸」こそがクレオパトラの永遠の若さを保つ真相を解く鍵となった。

⇒読めば読むほど理解するのが難しい文章です。クレオパトラが美しいというのは検証することは困難で否定することもできませんが、エジプトの墓の中から金の糸が発見されたことがどうしてクレオパトラの美しさと結び付くのでしょうか。お墓に金の糸があった場合、「金の糸を使った織物を服として着ていた」と考える方が自然ではないかと思います。「お墓に落ちていたから、皮膚の下に入れ込んでいたんだ!」という発想が理解しかねます。しかも、まだ肝心のクレオパトラのお墓は発見されていないようで・・・。

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例文2

金には、コラーゲンの源である線維芽細胞の活性化を高め、新しい毛細血管の増生を促す作用が含まれている。

⇒このようなことは医学的には証明されていません。これを裏付けるしっかりとした論文を見つけることができませんでした。

<例文3>

効果に個人差はあるが、約2週間~1ヶ月程度で効果が表れ始め、10年~15年以上持続する。

⇒金の糸はずっと残りますし、取り出すことは不可能です。残っているのにもかかわらず、持続が10年~15年でなくなるということはどういうことなのでしょうか。

<例文4>

アレルギーの可能性はほとんどございません。金属アレルギーの方でも問題なく行うことができます。

⇒そんなこと言っていいのでしょうか。確かに金はアレルギーを起こしにくいですが、例え純金といわれているものを使用したとしても純度は99.99%です。18Kに至っては純度が75%ですから、残りは様々な不純物です。問題なのは万が一アレルギーを起こしてしまった場合、取り出すことができないということです。 

私は実際に金の糸を入れた後に、慢性的に顔面にアレルギー症状を起こしてしまった方を治療したことがあります。顔に赤みとかゆみがずっと続いているという状態で、大変お気の毒でした。アレルギー治療の基本は 「原因物質を排除する」 ということですが、糸が取り出せないということは生涯にわたってアレルギーを抑える薬を飲み続けなければならないという可能性が高いことを意味します。 

「大部分の人には問題ないからいいだろう。万が一問題が起こった場合は治す手段がなくてどうしようもないのでごめんなさい。」

 こういう治療だということです。このような無責任なことはとてもできません。そのため、当院は金の糸リフトは行っておりません。 

<例文5>

ゴールドは、金運をアップさせ金銭的な厄をはねのける力と勇気があります。

⇒ついに、ここまできてしまいました。実際にこういう文面を載せているサイトがありました。とてもスピリチュアルな世界です。 

<例文6>

レントゲンなどには基本的に映りません。

⇒レントゲンにも映る可能性はあると思います。条件によってはCTやMRIにはしっかりと映るでしょう。病変の情報がわかりにくくなるということはないと思いますが、MRIの撮影を拒否されたなんて方もいらっしゃいましたので、厄介です。 

決定的にお勧めできない理由

私は『金の糸のリフト』治療をお勧めしておりません。その他に決定的におすすめできない理由としては、

今後も様々な高性能の美容医療マシンが登場する可能性がありますが、すでにこの金の糸が入っていることにより照射ができないマシンが存在します。

今後も、美容医療機器は進化していくことが予想されますが、その恩恵に預かれない可能性があります。 

もし、金の糸治療をお考えの方がいらっしゃいましたら、十分お気をつけください。

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