コラム

PRX-T33を『マッサージピール』と呼ぶ理由

主成分は強力なピーリング剤のTCA

クリニックで行われるピーリング治療はここ数年で様々な製品が登場して、目的にあわせて選択されるようになってきました。このピーリングブームに再び火をつけるきっかけとなったのが3年前に登場したイタリア製のPRX-T33、通称マッサージピールといっていいでしょう。

ピーリング剤は様々な成分がありますが、従来は表面からどのレベルの深さまで作用するかによって強い、弱いと表現されてきました。つまり、深い部分まで到達する成分は厚みをもって皮膚を剥離させますので、効果も高い分赤みや色素沈着といった副作用も強いということが言えます。

PRX-T33の主成分はその中でも深めまで作用するディープピーリング剤のトリクロロ酢酸(TCA)が主成分です。TCAピーリングは重度のニキビ跡の治療として以前にも日本国内で一部で行われておりましたが、そのダウンタイム激しさや、色素沈着の問題などから好んで手を出すドクターはほぼ皆無といっていい状態でした。もし使うとしても顔全体という使い方ではなく、クレーター状のニキビ跡部分のみにポイントで塗布するという使用方法に限られていました。

あのTCAが33%という高濃度で入っているピーリング剤ということで、PRX-T33の紹介をメーカーから頂いた際には、正直言って「大丈夫なんだろうか」というのが第一印象でした。

日本皮膚科学会HPより抜粋

開発者ロッサーナ先生との出会い

PRX-T33の日本上陸にあたり、開発者のイタリア人美容皮膚科医のロッサーナ先生に直接当院にお越しいただき、開発コンセプトと施術方法について実際に直々に指導していただきました。

マッサージピールの開発者ロッサーナ先生

ディープピーリング剤の良さを残しながらダウンタイムをいかに減らしていくか。その強いこだわりを感じることができました。クリニックを後にして食事しながら夜遅くまでいろいろなお話を伺うことができました。

ロッサーナ先生はすでにこの時PRX-T33を5年以上使用しており、ご自身のクリニックではほとんどがそのリピーターの方ばかりとのことでした。

PRX-T33の魅力とは

PRX-T33の魅力はダウンタイムの大幅な軽減にあります。主成分のTCAが33%というのは結構な高い濃度ですが、そのまま使用した場合には皮膚は厚くむけて長引く赤みと色素沈着が問題となります。そのダウンタイムを軽減するための成分の追加と、施術手技の開発がロッサーナ先生によってなされました。

PRX-T33には過酸化水素が適切な濃度で配合されることで、皮膚表面の反応は非常にマイルドに抑えられています。過酸化水素が入ることでTCAの表層の剥離効果がどうして軽減するのかは原理は正確にはよくわかりませんが、実際に表層の反応は非常にマイルドに抑えられています。

ダウンタイムにつながる表層の剥離反応を大幅に軽減しながらも、深部真皮層へのコラーゲン増生刺激はしっかりとなされるため、肌のハリ感アップや小じわ改善、毛穴引き締めといった美肌効果をしっかりと感じるというのがPRX-T33の特徴でこれが人気化した理由です。

日本名は「マッサージピール」に決定

日本国内に上陸する際に開発者のロッサーナ先生にお会いして直々に施術方法を指導していただきましたが、その方法がこれまでのピーリング治療とは大きく異なることにまず驚きました。この手技にはロッサーナ先生の「いかに表層への反応を軽減させるか」という強いこだわりがふんだんに盛り込まれていると感じました。

これまでのピーリング治療はピーリング剤を筆でお顔に均一に塗って既定の時間を計測しながら静置して洗い流すというものでした。それに比べてPRX-T33のロッサーナ先生による施術風景は遠目からみるとマッサージしているかのように見えたのです。この時がまさに日本での売り出し名が『マッサージピール』に決まった瞬間でした。

それから数年経過した今では日本全国で行われる治療とまでなりましたので、それぞれのクリニックの先生が思い思いの名称をつけたりして展開されております。コラーゲンピールやミラノピールなどの別名もあるようですが、後述するようにPRX-T33の効果を最大限に生かし、かつダウンタイムを最小限に抑える大きなポイントは施術方法にありますので、「マッサージピール」という名称が最も的確ではないかと今でも思っています。

なぜこのような方法でおこなうのか

ロッサーナ先生のイメージでは皮膚表面に薬液が停滞する時間を可能な限り短縮させたいというものでした。そのため、マッサージといってもエステのような手技とは全く異なります。

薬液を皮膚に垂らしてからは時間との闘い。瞬時に適切な圧を加えながら深部に押し込むようにすばやく手を動かしていきます。この時の摩擦も最小限にしなければなりません。

初めてこの手技をロッサーナ先生がしているところを見た時、失礼ながら「これまで通りに筆で塗るのと本当は変わりはないのではないか」という疑念もありました。

そして正式メニューとしてリリースするにあたり、スタッフと手技のトレーニングを実施する際に筆で塗るパターンやエステサロンのように優しくマッサージするパターンなどを様々試しました。

その結果は明らかで、やはりロッサーナ先生が実践されていた適切な圧をかける手技で行った場合の方が赤みや皮ムケといったダウンタイムが大幅に少ないだけでなく、効果の面でも優れていました。

残念ながら正しい方法で行われていない例も

日本全国に爆発的に普及した治療がマッサージピールですので、中には講習等を受けずに独自の判断で治療を行っている施設も残念ながら増えてしまいました。SNS等でも決して正しいとは言えない方法でマッサージピールを行っている紹介映像をよく目にするようになりました。

繰り返しますが、マッサージピールの良さを最大限に引き出して、ダウンタイムを最小限にする最大のポイントは施術手技にあります。せっかく期待して受けた治療なのにその良さを実感できなかったという方は、本当に正しいやり方で行われていたのか?という点も考慮しなければなりません。

当院には他院でマッサージピールを受けたがいまいちよさがわからず、当院での治療を希望される方がこれまでも非常に多くいらっしゃいました。その方たちは異口同音におっしゃるのは

「前の施設で受けたやり方と全く違う。ここまで違うのか」

という驚きの声です。手技の違いだけでなく、もちろんその後の経過の違いについても驚かれます。

どうしてこの治療が「マッサージピール」という和名がつけられたのか。効果とダウンタイムにどれほど手技が大きく影響を左右するか。この2つをしっかりと理解した施術者が在籍するクリニックで治療を受けることが大切です。

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