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【注意】額の注入剤はヒアルロン酸がベストではありません

どのような場合に額の治療をおこなうのか

額は加齢変化によって形が変化してきます。皮膚のコラーゲンとエラスチン量は減少して弾力が衰えることで小じわが増えてくるのに加え、深部の脂肪のボリュームは減少して以前にはなかったような「くぼみ」が出現してきます。

例えば上の額の写真をご覧ください。

額の部分だけを拡大して切り取った写真ですが、おおよその年齢が認識できます。10代という印象は受けず、20代というよりも30代かな?そんな印象を受けませんでしょうか?

10代、20代の額と違っている部分は小じわの入り方に加えて「くぼみ」です。

まさにこの黄色で囲んでいるエリアは加齢変化とともに徐々にボリュームが失われやすく、くぼみがでてきます。眉毛のすぐ上の部分から額中央、コメカミにかけてが特に目立ちます。この部位のくぼみは影を作りますので以前のふっくらとして明るく反射している頃と比較して全体的なゴツゴツ感と、やつれ感を感じさせるようになります。これが年齢を感じさせ始めます。

どのように治療するのか

このように加齢変化によるボリュームと肌の弾力の減少がみられる場合や、20代~30代で人気の額を丸く整えたいというご希望の場合には治療を行っていきます。

くぼみを解消したり、丸い額を作るための方法としては以下のようなものがあります

  1. ヒアルロン酸注射
  2. 脂肪注入
  3. シリコンプロテーゼ埋め込み
  4. エランセ注射

私が予想する日本国内外で行われているであろう頻度順に並べてみました。①のヒアルロン酸注射は日本国内では最も多く行われているのではないかと予想しています。

②の脂肪注入は脂肪吸引手術も行う美容外科クリニックでは材料として入手しやすいため日本でも勧められることがあると思います。一方で③は国内ではほとんど行われておらず、韓国の一部のクリニックでは盛んにおこなわれています。

③のエランセはなじみのない方もまだ多いのかもしれませんが、世界的にはヒアルロン酸に次いでよく用いられている製剤だと思います。私が見学に訪れたことがある韓国の有名なクリニックのドクターも好んで額にエランセを使用していました。

どうしてヒアルロン酸が用いられるのか

額のシワ改善やくぼみ改善、丸い形に変えたいなど、治療が必要な場合、日本国内ではヒアルロン酸が最も用いられているものと思います。

ヒアルロン酸製剤は非常に進化の著しい領域で、以前のように数か月で消失してしまう製剤しかない時代と比べて持続期間と質は大きく向上しました。額でも良く用いられるジュビダームビスタボリューマは2年近く持続します。

アレルギー反応も非常に少なく、万が一「元に戻したい」と治療後に思ったとしてもヒアルロン酸製剤の場合にはヒアルロニダーゼという溶解剤が存在しますので即座に戻すことができます。

このような安全性と溶解できるという安心感から最も用いられる注入剤がヒアルロン酸で、私も加齢変化による失われたボリュームの改善にはヒアルロン酸を好んでよく用いています。

額の場合ではヒアルロン酸がベストではない

頬やコメカミなどの加齢変化によるボリュームの減少に対してはヒアルロン酸による治療は非常に高いクオリティで治療が可能です。高い技術で注入すれば、本来のふっくらとした軟らかさを自然に再現することができます。

一方で額の場合では他の治療と比較してヒアルロン酸注射がベストな仕上がりとは言えない部分があります

額は頬とは違い、もともと「自然な硬さ」がある部位です。皮膚の下には前頭筋という薄い筋肉とその下には頭蓋骨がありますが、クッションとなる脂肪は頬などと比べるとかなり少ないためです。

ヒアルロン酸を使って額を丸くする場合、現状の形から理想の丸みの形のギャップをヒアルロン酸のボリュームを使って補っていく必要があります。必要量は当然個人で差はありますが、1本(1cc)で十分な人もいれば3ccほど必要となるひとも中にはいらっしゃいます。

ヒアルロン酸は周辺の水分を保持する役割も果たす物質ですので、ヒアルロン酸を使って額を丸くした場合厳密にいえば額を触った場合の質感は本来の硬さよりもややブヨっと軟らかく感じます。

そして、我々のような専門家の目で見ると、額をヒアルロン酸で作っている人は額の皮膚および皮下組織の水分量がほかの部位の質感とはやや異なるため見た目でわかります。敏感な人は一般の人でも「なんとなくの違和感」として感じる場合ももしかするとあるかもしれません。

(非常に高いクオリティを追求した場合のマニアックな部分なので、気にならない人には気にならないレベルかもしれません。)

脂肪注入は自然さに欠ける

ご自身の脂肪を太ももなどから採取して額に脂肪注入を行うケースもございますが、私の見解としては最もお勧めしない手法です。

症例写真では形状の変化しかわかりませんので脂肪注入で綺麗に仕上がっているように見えるビフォーアフター写真を見せられると、自分自身の素材で長年持続するというメリットを考えると選択肢として検討してみたくなると思います。さらに脂肪吸引の手術をした人が、「せっかくとった脂肪を捨ててしまうのはもったいない」などと言われたらやりたくなって当然です。

先ほどお話したように、普段生活していて友人を含めた周囲の人が「不自然だな」と感じる要因は意外と繊細な部分です。我々専門家のように、「ここがこうだから不自然に見える」とピンポイントでの指摘は難しいにしても、直感的に「なにか不自然」と感じさせてしまいます。

症例写真では綺麗に見えても実際に会って動いているところを見たり、触ったりすると不自然というケースはとても多くみかけます。私は自然さを追求するにあたり、写真上ではもちろんですが、実際にあって動いていても触られても自然でなければならないと思っています。これがより高いクオリティの自然さのポイントだと思います。

そういった意味では額を脂肪注入で仕上げるメリットは全くありません。完成までに複数回繰り返すことが多いことに加えて、しこりや凹凸感が出現するケースがあることも大きなデメリットで、しかもこれらは出現した場合の対処が非常に難しい合併症です。

そして、頑張って複数回の治療をうけて脂肪注入で理想に近い額の形をつくれたとしても、肝心の質感は最も自然とは言えない仕上がりとなります。触るとヒアルロン酸よりもかなりブヨブヨとして、本来あるべき額の質感とはかけ離れています。

額を脂肪注入で作り上げるやり方は、デメリットは多くあげられる一方でメリットを私はあまり感じることができません。しかしながら、韓国を中心に多くの例で脂肪注入が行われています。

現状で最も理想的な仕上がりはエランセ

エランセはポリカプロラクトンと呼ばれる吸収性の素材が主成分の注入剤で、私は好んで使用している製剤の一つです。その魅力は周辺のコラーゲン増生を引き起こす「コラーゲンブースター」として優秀だという点です。(下記の以前のブログも参照ください)

結論から言うと、額を作る材料としては現状ではこの「エランセ」が最もよい仕上がりとなります。

メリットは以下の3つです。

  1. 触った質感が本来の額の質感とほぼ同一。
  2. 水分を多くため込むようなことはなく、むくんだような印象がない。
  3. コラーゲンブースターとして半年以上作用するため、額のシワは経過を置くごとに薄くなっていき、肌質もよくなっていく。

形を変えたいわけではなく、シワの改善をメインで行いたい場合には額全体でエランセ1本を用います。加齢変化によるわずかな凹みの改善程度でも1本で十分なことがほとんどです。

凹みが重度の場合や丸みを持たせたい場合にはエランセ2本を用いることもあります。

エランセで額を治療した例 ビフォーアフター

エランセはとても魅力の多い製剤ですが、技術的には難易度の高いものと捉える医師が多く、日本での普及率はまだまだ海外と比べても大きな開きがあります。

数年前から私は積極的に「コラーゲンブースト注射」と称して治療をおこなってきましたのでつい先日、日本国内でのエランセ使用本数が最も多いとメーカーから表彰をしていただきました。

なんと昨年は852本。今年はすでにそれよりも多く合計で2000本を突破しているとのことでした。

気が付けば驚くほどの本数を使用していました。額のエランセ治療をご検討の方はぜひご相談ください。

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