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院長コラム

接客業のプロに必要な新型コロナ感染対策2020.12.14

新型コロナ感染症は国内において感染者数の増加傾向が続いています。

当院ではこの感染症のいわゆる「第一波」と呼ばれる初期の段階で長期化を予測し、早期からwithコロナを見越した万全の対応を模索し、診療を継続して参りました。

そして日々明らかにされる最新のエビデンス情報を元に、適切な感染対策を常に保つべく改良を重ねております。

この感染症の性質上、無症状の方であっても飛沫中に感染源のウイルスを排出している可能性があるという前提で対策をする必要があり、あらゆる接客業に携わる人々は、

「すべてのお客様が感染者である可能性がある」

という前提で感染対策を構築していく必要があります。入り口での額や手首での「検温したつもり」の儀式や手指消毒だけでは不十分です。

重要なことは「もらわない」「うつさせない」

接客業のスタッフが注意すべきことは次の2つです。

  1. 自分自身がお客様から飛沫もしくは接触経由でウイルスをもらわないこと。
  2. 店舗内にお迎えしたお客様が、その環境でウイルスに暴露(接触)しないようにお守りする。

つまり、接客業に従事する者は自分自身も「常にウイルスをもらわない生活」を徹底して行う必要があります。特に若年層では無症状の感染が頻度として高い感染症ですので、これは業務時間内にとどまらず、プライベートの生活でも徹底して感染対策を行う必要があります。

連日のPCR検査や抗原検査を行った後に、陰性を確認してから出勤させるという対策はPCRのコストと結果までのタイムラグの問題、そして抗原検査の不確実さ(偽陰性)を考えると現実的には不可能です。

接客業に従事する以上、「会食は続けている」「アルコール消毒は持ちあるいていない」「マスクをしないこともある」などの感染対策への無関心は許されず、徹底した感染対策を業務時間外も徹底して行うというのがプロ意識として必要となっています。絶対に大切なお客様に自らから感染させてはいけないのです。自分が感染している可能性を常に限りなく低い状態に保っていなければなりません。

そして、店舗内にお迎えしたお客様がその場でウイルスに接触することのないように、お客様が接触した部分は徹底的に消毒することが大切です。ここでもやはり、すべてのお客様が無症状の感染者である可能性があるという前提での対応が重要となります。

お客様が触れた場所はすべてウイルスが付着している場所と考える必要があり、次のお客様が触れるまでに必ず消毒を行う必要があります。大切なお客様を感染から守るのもプロの接客業スタッフの仕事です。現実問題としてここにはマンパワーの問題、消毒薬による商品への負担の問題など様々な障壁があるのは確かです。しかし、ここに対してどこまで徹底的に行うかで、お客様への愛が試されているといっても過言ではないと思います。

当院の感染対策

現状で当院が行っている感染対策を簡単にお話します。

まず始めに、消毒が困難な共有物はすべて撤去致しました。雑誌の貸し出しも中止しております。院内換気の徹底および空気清浄機の増設を行いました。

手指消毒に関しては80%のアルコールを用いていますが、物品や内装などの環境の消毒に関しては初期はアルコールの調達が困難な時期がありましたので、次亜塩素酸を使用しておりました。しかし、塩素系のニオイと備品の腐食などの問題から新型コロナウイルスに対して消毒能が実証された界面活性剤のアルキルアミンオキシド(AAO)を現在は使用しております。

AAOは0.05%の濃度での実験では20秒以内に新型コロナウイルスを不活化していますので、当院ではAAOを0.2%含有した市販の洗浄剤を使用しております。

当院は完全予約制ですので、来院されたお客様が広待合で他のお客様と接触しないように直接「完全に全体が消毒された個室」にすぐにお通ししています。そこで健康チェックと検温(基本的には脇での検温)を行い、発熱を認めた方やその他の何らかの症状を認める方、濃厚接触歴のある方はその日の治療は行わずに延期とさせていただいております。

顔の治療を行うケースが多いため、飲食店同様にお客様にはマスクを外していたきます。そのため、接するスタッフは不織布マスクに加え、眼の粘膜を保護する飛沫防止ゴーグルの装着を常に行うように義務づけています。そして、一つの部屋の対応から出た際には手指のアルコール消毒(80%アルコール)を徹底しています。

治療終了後は蛇口やハンガー、テーブルや椅子、ボタンや石けん等のボトルなど、お客様が接触した部分のすべてを消毒をしますが、これはお一人のお客様がお部屋からでる度に毎回完全に行います。ベッドのシーツも厚手の使い捨てとして、こちらも毎回必ず交換します。

トイレもお一人が使用後に必ず消毒作業が入ります。

前のお客様が触れた部位を消毒を経ずに新たなお客様が触れることは基本的にはありません。

スタッフ同士の感染にも注意

多くの会社などで、休憩室などでのクラスター感染が報告される事例が相次いでいます。ソーシャルディスタンスを保つことも大切ですが、どうしても職場内では難しい場合も多くあります。しかし、お互いが不織布マスクをしているだけで感染するリスクは大幅に軽減されるというデータも出ています。

しかしながら、休憩中はどうしても同時にマスクを外して飲食を行う可能性があり、飛沫感染のハイリスクな時間帯が生まれます。

当院では当初は時短営業として休憩時間をなくすことでスタッフ間感染の対策を始めました。現状では時短営業を解除してスタッフが1人ずつシフト制で休憩に入るシステムに変更しています。

万が一入れ替わり時に2人が重なる時間帯が出現することも考慮し、念のため休憩室にはアクリル板を設置し、高性能空気清浄機の増設も行いました。

常に新たな情報を元に対策をヴァージョンアップ

新しい研究成果が発表されて科学的根拠が得られたことで消毒薬を変更したように、常に感染対策は向上させていかなければなりません。

たとえば先月に発表されたスーパーコンピューター「富嶽」を使った理化学研究所の発表では、ウレタンマスクの飛沫予防効果の弱さが明らかとなりました。当院では業務中は不織布マスクで統一しておりますが、そのデータを受けてプライベートであってもウレタンマスクの使用を禁止しております。

「大切なお客様を新型コロナウイルスから絶対に守る」

この姿勢こそがこれからのニューノーマルな生活におけるプロの接客業に求められる姿勢だと思います。

私たちの取り組みを取材していただきました

私どもの日常の感染対策の取り組みを取材していただきました。

フジテレビ系の朝の情報番組「とくダネ!」

12月14日に放送予定です。